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D-BROS

Text: Yuki Isobe / Photo: Ayano Kizawa

2023.10.13

THINK OF THINGSの入り口にあるポップアップスペース“CASE”では、10月5日(木)から、グラフィックデザイナーが遊び心を持って平面と立体の間を行き来しながら制作するプロダクトブランド「D-BROS(ディーブロス)」のポップアップショップを開催しています。 今回のポップアップショップに併せて、アートディレクターの岩永さんに、ブランドやアイテムについてお聞きしました。

―「D-BROS」というブランドについて教えてください。 D-BROSは、1995年にクリエイティブディレクターの宮田識(みやたさとる)が代表を務めるデザイン制作会社「DRAFT(ドラフト)」から生まれたプロダクトブランドです。 “Design is Fun. - デザインは楽しい” をテーマに、平面と立体、グラフィックとプロダクトの間を行き来しながら、グラフィックデザイナーたちが遊び心を持って自由に制作したプロダクトを発表しています。 D-BROSのアイテムは、フラワーベースや時計、カレンダー、食器など、身近なものが多く、そのアイテムを日常に取り入れることで、その人の生活や心が少しでも豊かになればという想いで制作しています。 デザイナーたちも楽しみながら制作しているアイテムを手に取って、“デザインは楽しい”と感じてもらえればうれしいです。

―「D-BROS」は、デザイナーにとってどんな場所になっていますか? D-BROSのものづくりでは、デザイナーがプロダクトの企画からデザインまでを行なっています。D-BROSに携わっているデザイナーたちは、普段、広告制作や企業のブランディングの仕事をしていて、出来上がった商品をどう見せていくかを考えることが多いんですが、D-BROSのアイテムをつくるときは「何をつくりたいか」というところからはじまります。 自由な発想でものづくりができるという機会があるということは、とてもありがたく幸せなことです。一方で、“自分を出すこと”が必要とされ、追求しようと思えばとことん検証できる環境に、自問自答して悩んだり苦しんだりしながらデザインを生み出しているデザイナーも少なくないと思います。 D-BROSは、デザイナーが自己の表現と向き合うことができる場になっていて、アート活動に近いことをしている感覚がありますね。

― 今回店頭に並ぶ2024年のカレンダーや、他アイテムについて教えてください。 数名のデザイナーによるカレンダーは、D-BROSとしての初めてのプロダクトで、今でも毎年大切に作っています。カレンダー制作は、それぞれのデザイナーが近年デザインした作品などを見ながら、制作するメンバーを決めるところからはじまります。アイデアを出すフェーズでは、代表の宮田とも意見を交わしながら作っていて、宮田からは細かいデザインの部分というより、アイデアの根幹の部分で意見をもらうことが多いですね。 かつてDRAFTに所属していた、クリエイティブユニット「KIGI(キギ)」の植原亮輔の『TOMORROWS』は、製本されていなくて、一本の棒にそれぞれ計算された大きさに断裁され、引っ掛けるだけでズレが生じる6枚の紙が掛かっているというシンプルな構造のカレンダーです。型にはまらず、ラフに掛けられた紙の重なりを楽しんでください。 私のデザインした『little by little』は、日付を表す日玉の数字には色を着けておらず、背景に文字が浮かび上がるような仕様になっています。少しずつ、そして気持ちよく変化していく季節のうつろいを感じながら、一年をやさしく過ごせてもらえたらと思って制作しました。 それぞれ印刷などにもこだわっていて、実物を見ないと伝わらない表現などもあるので、ぜひTHINK OF THINGSの店頭でご覧ください。

POPUP SHOP「D-BROS」 期間:2023年10月5日(木)〜10月24日(火) 場所:THINK OF THINGS 1F CASE D-BROS D-BROSは、1995年にクリエイティブディレクターの宮田識(みやたさとる)が代表を務めるデザイン制作会社「DRAFT(ドラフト)」から生まれたプロダクトブランド。 “ Design is Fun.” をテーマに、グラフィックデザイナーたちが平面と立体のデザインを行き来しながら、遊び心を持って自由に制作したプロダクトを発表しています。 Website:d-bros.jp Instagram:instagram.com/dbros_official1995

CASE Q&A

TOTのCASEで開催されるポップアップショップやイベントの参加ブランド・アーティストをより深く掘り下げる一問一答インタビュー。ものづくりのコンセプトやその背景、想いを探り、気付きを得られるようなインタビューをお届けします。