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DOMINO ARCHITECTS


一枚の大きな絵のように、マテリアルを愛でる

Text: Mai tsunoo / Photo:Masaki Ogawa

2023.11.30

家具から文具まで、いろいろな収納用品を作ってきたコクヨが、新しい収納のあり方を考えます。 これにぴったりの形の棚板があれば。壁に合わせて、自由にサイズが選べるならば。収納には、悩みがつきものでした。 もっと自由な収納を考えるために、私たちはさまざまな職業の人々が日々使う道具や素材、そして収納用品を観察し、その人のためだけの、新しいシェルフを設計しはじめました。 仕切りメーカーが用いる緩衝素材の、軽量で防水(防油)であること、プログラミングで一つひとつ異なる加工が可能であること、という特性をいかし、大型でも壁にかけられ、室内外で使えるオーダーメイドシェルフを考案しました。サイズオーダーから、フルオーダーまで、多様な要望に応えられます。 コンピューターの前にいる時間が長くなった現代だからこそ、姿形のある「モノ」のもつ価値を再確認し、収集によろこびを覚える人も少なくありません。 モノと人、そして空間との、新しい関わり方のケーススタディです。

一枚の大きな絵のように、マテリアルを愛でる 建築を中心に、インテリアやプロダクトデザインなどを手掛けるDOMINO ARCHITECTS。彼らが設計する際に用いる、マテリアルサンプルを並べるためのシェルフです。フローリングやカーペット、タイルやガラスまで、さまざまな規格サイズの素材を大壁面で一望できます。

過去のプロジェクトに使用したもの、最近気になっているもの。一堂に集めて並べることで、スタジオの自己紹介にもなり、自分たちの興味の確認にもなっています。ずらりと整列したことで、これまで「床」として見てきたマテリアルの「壁」としての可能性が見えたり、スタジオの関心事の移り変わりを可視化できたりと、新しい発見も増えています。 サイズ:W945 x D60 x H1780 mm

プロフィール DOMINO ARCHITECTS
 大野友資によって2016年に設立されたプラットフォーム。デザインの実践と理論の両面から歴史や文脈への接続を試み、情報と物質、デジタルとアナログ、ハイテクとローテクを相対化するような設計を手がける。 その活動はさまざまなチームとの協働によって形作られ、建築、インテリア、プロダクトデザイン、リサーチや企画開発まで多岐にわたる。 dominoarchitects.com CASES STUDY 企画:大野友資、角尾舞、THINK OF THINGS 設計/デザイン:DOMINO ARCHITECTS、 THINK OF THINGS 製造:イワキパックス コピーライティング:角尾舞 写真:小川真輝 アートディレクション:佐々木拓 グラフィックデザイン:石暁君

CASES STUDY

見せる収納から、愛でる収納へ。集めているもの。揃えているもの。眺めていたいもの。似ているけれど、ちょっとずつ違うモノたち。さまざまな職業や会社に特有の、彼らが収集しているモノに注目し、並べて、使って、ときに眺めるためのオーダーメイドシェルフを作ります。スチールでも木材でもない、軽くて防水の緩衝素材は、業務用に使われる仕切りメーカーの部材を応用しました。「かざる」と「しまう」の隙間を探る、コクヨの新しいリサーチプロジェクトです。