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KASUMI OOMINE

Text: Amane Hosaka / Photo: Leo Arimoto

2025.4.12

THINK OF THINGSの入り口にあるポップアップスペース“CASE”では、4月10日(木)からぬいぐるみ作家・大嶺かすみさんによるポップアップ「many's playful things」を開催しています。 今回のポップアップに併せて大嶺かすみさんに「マーニー」が生まれた経緯や今回のポップアップのコンセプトについてお聞きしました。

ーぬいぐるみをつくるようになったきっかけは何ですか? 大学時代は絵画科に所属していたのですが、絵画に限らず自由に制作ができる環境でした。染色の授業をきっかけに自分で染めた布を使って植物のようなモチーフの大きな作品を展示したのですが、見に来たお客さんが作品を動かしたり、紐みたいな部分を結んだり、たくさんの人が触ってくれたのが印象的な展示になりました。作品を通して、お客さんとコミュニケーションがとれたことがとても嬉しかったのをきっかけに卒業後も仕事の合間に制作するようになりました。 もう一つのきっかけは、私の母が作ってくれた“布団くん”という手作りのブランケットです。顔とかはついていないのですが、自分でブランケットに名前をつけ、幼少期からずっと愛用していました。嬉しい時はぎゅっと抱きしめたり、悲しい時は涙を拭いたり、ずっと一緒に生活してきました。当時、”布団くん”が親や友人よりも自分のことを知っている気がして、誰かにとってそんな存在をつくれたらと思いぬいぐるみをつくり始めました。

ー大嶺さんのキャラクター「マーニー」が生まれた経緯について教えてください。 キャラクターは学生の頃の授業中の落書きから作っています。たくさんのキャラクターの中でマーニーは私の弟をモチーフにしています。私の家系はみんな上くちびるがもーんと出ていて、それがかわいくて。昔からかわいいものといえば口が出ているものというイメージが自分の中にあったので、そんな口が特徴になっています。よく鼻って思われることが多い部分は実は口なんです。あとは、首がなくてモチモチな感じも弟をイメージしています。(笑) 最初は名前をつけずに展示や販売をしていたのですが、途中でマーニーという名前をつけました。名前をつけるなら、家族や友達みたいな存在がいいなと思って、私の母が私と弟のことを、愛称のような感じでマーニーちゃんとトゥクトゥクと呼んでいたので、そこから名前をもらいました。 私自身は作家としてぬいぐるみを制作しているというより、世界にいろんなマーニーたちがいて、それを斡旋しているような、みんなにぴったりのマーニーを紹介する人、というイメージで活動しています。

ー今回のポップアップ「many’s playful things」について教えてください。 THINK OF THINGSさんのプロダクトがとても素敵なので、一緒に共存できるような世界観がいいかなと思いました。原宿の街の中に、想像の中の小さな街を作るような感覚で、つみ木で街を作り、その中にマーニーたちを置いて展示しています。 どこかの国かもしれないし、日本かもしれない、現実と空想の間にあるような世界で、マーニーたちが買い物をしたり、楽しんで散策したりしているようなイメージです。 THINK OF THINGSのメニューにあるあげパンやコーヒーを持っているマーニーもいます(笑) ぬいぐるみには、元々布なのに目や鼻、口があるだけで心があるように思えるところがあります。見た人のイマジネーションがあってこそだと思っているので、マーニーを見にきてくれたお客さんの想像力の中の世界に触れることができるのが、展示のたびにとても嬉しいです。 マーニーたちもみなさんに会えるのを楽しみにしています。ぜひこの機会に会いに来てください。

POPUP 「many's playful things」 日時:2025年4月10日(木)〜4月22日(火) 場所:THINK OF THINGS 1F KASUMI OOMINE 小さい頃の思い出や、最近出会った人や動植物からイメージした「マーニー」というキャラクターを制作。ぬいぐるみやイラストなどを発表しています。 Instagram:@kasumioomine

CASE Q&A

TOTのCASEで開催されるポップアップショップやイベントの参加ブランド・アーティストをより深く掘り下げる一問一答インタビュー。ものづくりのコンセプトやその背景、想いを探り、気付きを得られるようなインタビューをお届けします。