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かたがみ

Text: Hinano Ikeda / Photo: Leo Arimoto

2024.8.31

THINK OF THINGSの入り口にあるポップアップスペース“CASE”では、8月22日(木)より、生活の中での「不具合の発見」をきっかけに、独自の視点でプロダクトをデザインし展開するブランド「かたがみ」によるPOPUPイベントを開催しています。
 今回のポップアップに合わせて、かたがみの小玉良行さんにブランドの成り立ちや制作しているプロダクトについてお聞きしました。

ー「かたがみ」というブランドは、どういう経緯で生まれたのでしょうか。これまでの活動について教えてください。 いつか自分でお店作りをしたいという思いがあり大学では建築を学んでいました。事情があって1年で大学は辞め、しばらくは建築や今の仕事とは異なる分野で働いていました。でもやっぱりデザインやクリエイティブなことが好きだったので、2021年ごろからポップアップショップを中心に「かたがみ」の活動をスタートしました。当初はチップボール紙を使った「かたがみノート」を制作・販売したり、全国の一点ものを集めて販売する企画も行っていました。

 かたがみの商品は僕自身が生活を通して感じる「不具合」を元にもの作りがスタートします。まず、自分が感じる不具合が何なのか一般的にどうなのか検証し、その改善に向けて素材のリサーチや使い方、設計を1人で行っています。



ーかたがみのプロダクトについて教えてください。
 愛知県にあるセレクトショップ「MATOYA」さんでの展示をきっかけに作ったMail Boxがかたがみで最初のアクリルを使ったプロダクトです。それまでは紙製品中心で展開していましたが、紙ものを活かせるようなものを作りたくて考えていたところ、
ボックスを開け閉めするときに使いやすいパーツの蝶番に透明のものがあるのを知り、全面透明のアクリルでボックスを作ったら紙ものを保管しながらディスプレイとしても置いておけるボックスになるのではないかと思って制作しました。 
その後も、ポップアップを重ねるたびにカラーオーダーを始めてみたり、形状や仕様を変えてみたりして今のバリエーションやカラー展開になり、Mail Boxはかたがみの代表作になりました。
Mail Boxの他にも、インテリアに馴染むTissue Caseやカセットテープがぴったり入るCassette tape Caseなどを展開しています。
他にも四方に四角ナットを用いた”STAND”はボルトが受け入れるものであれば装着可能で、ライトや磁力のある電源タップなど、市販の既製品を付けてカスタムできる拡張性のあるスタンドも販売しています。

ー小玉さんは絵描きとしての活動もされていて、絵描きとデザイナーという2つの軸があると思うのですが、ご自身の働き方やスタンスを言葉で表すとしたらどんな肩書きになるのでしょうか。 僕は学校でデザインを学んでからデザイナーとして活動しているわけでもなく、ただ生活している中で自分が気になったことを形にしているイメージなので肩書きと言われるといつもどう答えるか悩みます。日々の生活を通して美しいと思った物事の絵を描き、不具合や改善したら生活がより良くなるんじゃないかなと思うものを作る、というように創作活動をしています。もしかしたらあまり現代的ではない、一昔前のイメージで生活ともの作りが一緒になっているのかもしれません。

 これからも自分が好きなものや興味があるものでお客さんとコミュニケーションを取れたらいいなと思っているので、今後も日々の生活から活動を広げていければいいなと思っています。

POP UP SHOP「かたがみ」 日時:2024年8月22日(木)〜9月10日(火) 場所:THINK OF THINGS 1F CASE かたがみ Online store Instagram katagami_itten

CASE Q&A

TOTのCASEで開催されるポップアップショップやイベントの参加ブランド・アーティストをより深く掘り下げる一問一答インタビュー。ものづくりのコンセプトやその背景、想いを探り、気付きを得られるようなインタビューをお届けします。