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OLU PRODUCTS

Text / Photo: Yuki Isobe

2024.2.22

THINK OF THINGSでは2月22日(木)より、グラフィックデザインの発想から生まれた東京発の新しいプロダクトブランド「OLU PRODUCTS(オル プロダクツ)」のPOPUPイベントを開催しています。 今回のポップアップショップに併せて、アートディレクションを務めるグラフィックデザイナーの脇田あすかさん、プランナーの伊部志保さん、アドバイザーの吉田けえなさんの3名に、プロジェクトやブランドについてお聞きしました。

― このプロジェクトが始まった経緯を教えてください。 吉田:80年ほど前に、暮らしの道具を扱う荒物雑貨店として東京で生まれ、お客様にバッグを中心とした身の回りの物を届ける「サックスバーホールディングス」となって、今年で50周年の節目を迎えるにあたり、東京発の新しいプロダクトを世界に発信したいという想いのもと、今回のプロジェクトがスタートしました。 私は以前からサックスバーのアドバイザーとしてお手伝いをさせていただいていますが、今回新しいことをはじめるにあたり、業界の常識にとらわれず、身につけることが楽しくなるブランドを作りたいという相談を受けました。そこで、これまで作品を拝見していたグラフィックデザイナーの脇田さんがバッグを作ったらきっと素敵なものになるのではないかと思い、共通の知人であるオンラインセレクトショップIBE(アイビー)を主宰する伊部さんを通じてお声掛けをしました。IBEの活動を通して、伊部さんのセンスや企画力も見ていたので、彼女にもプランナーとして入ってもらい、今回のチームができあがりました。 伊部:私は脇田さんがまだ学生だった頃、彼女の卒業制作の作品を見て、それに惹かれてお声掛けをしていて、その時からのお付き合いになります。IBEを立ち上げる際のブランディングデザインや運営していく中でのデザイン周りのことをお願いしていて、IBEの世界観をずっと一緒に作ってくれていたり、他のプロジェクトでも二人で仕事をしていたりします。 これまで企画の仕事をしてきたということもあって、私がコンセプトの方から考えていって、脇田さんは物のかたちやデザインの方からアイデアを出していくことが多いですね。

―「OLU PRODUCTS」というブランドや、今回のコレクションについて教えてください。 脇田:OLU PRODUCTSは、グラフィックデザインの発想から生まれた、東京発の新しいプロダクトブランドです。平面的なグラフィックを異素材に転換することで、軽やかに身につけられるような、どこか遊び心のあるアイテムを生み出していければと思っています。 伊部:ブランドコンセプトに「自由に個性を愛する。」を掲げているOLU PRODUCTSの“OLU”は、「誰にでもオープン(“O”pen)で、自由(“L”iberal)に、個性(“U”niqueness)を愛する。」の頭文字をとったものです。織物の「織る」と、紙を「折る」のダブルミーニングにもなっています。 脇田:1st COLLECTIONとなる「GRIDシリーズ」は、方眼紙から着想を得たデザインです。直線や正円で構成された平面的なデザインが有機的に見えるようなものを作りたくて、ニットという柔らかい素材を使うことにしました。バッグに物を入れたり手に持ったりすることでかたちが変わり、柔らかい印象に変化するのがこの素材ならではだと。普段は紙もののデザインをすることが多いので、ニット素材となると勝手が違って、考えたデザインをニットで表現するのにとても苦戦しました。 色にもこだわったので、その日の気分やその日の服に合わせて、コーディネートを楽しんでもらえたらと思います。薄手の柔らかなニット素材なので、季節を問わず1年中気軽に使ってもらえたらうれしいです。 伊部:常識や固定概念にとらわれることなく、自分の好きなものに正直に、自分らしくいるためのアイテムのひとつとして、このバッグを持ってもらえたらうれしいです。 カラーにも、“TOFU”や“CAKE”、“CONCRETE”など、それぞれ少し変わった名前が付いているので、名前のイメージで選ぶのも楽しいと思います。カラーバリエーションはいくつかご用意していて、年齢や性別を問わず持っていただきやすいような色を選びました。 付属のポーチは、バッグと合わせると一枚の紙のようにつながるようなデザインになっています。 自分のお気に入りとして、物にまつわるストーリーを他の誰かに伝えたくなるようなブランドになれたらと思っています。

― ブランド初お披露目となる、今回のポップアップストアについて教えてください。 脇田:1年ほど掛けて試行錯誤しながら進めてきたプロジェクトのお披露目となるので、皆さんに見ていただけるのをとても楽しみにしています。 ポップアップストアでは、THINK OF THINGS店内の壁一面に、“GRID”シリーズ全8色のニットバッグがずらりと並びます。眺めて楽しんで、直接触れて素材感も感じていただければと思います。 このGRIDシリーズをお披露目する場所として、まず一番にTHINK OF THINGSが思い浮かびました。今回のコレクションのモチーフでもある方眼のノートなどを取り扱うお店でもあって、文房具の販売だけではなく常に新しい取り組みをしているという点でも、鞄づくりを知り尽くしたメーカーが違うフィールドに出ていくという今回のブランドの取り組みにもぴったりな場所だと思っています。ポップアップストアの開催が実現して本当にうれしいです。 吉田:今回、THINK OF THINGSでポップアップショップを開催させていただくにあたり、GRIDと親和性のあるコラボレーションをしたいと考え、オリジナルの測量野帳を製作していただきました。とても素敵に仕上がっていて、手元に届いた時、「かわいい!うれしい!欲しい!」という声がチーム内外から上がりました。会期中にニットバッグをご購入いただいた方には、こちらのオリジナル測量野帳をプレゼントいたします。 ※ なくなり次第終了となります しばらくはTHINK OF THINGSとオンラインストアでしか手に入らないブランドとなり、今回は店頭で直接手に取ることができる貴重な機会ですので、ぜひTHINK OF THINGSで実物をご覧いただけるとうれしいです。

「OLU PRODUCTS POPUP STORE」 期間:2024年2月22日(木)〜3月12日(火) 場所:THINK OF THINGS OLU PRODUCTS OLU PRODUCTSは、今年50周年を迎えるバッグ・ファッショングッズの専門店を展開する、サックスバーホールディングスが新しく立ち上げたプロダクトブランド。 グラフィックデザインの発想から生まれた東京発の新しいプロダクトブランドとして、“身につけられる軽やかなグラフィック”をコンセプトに、ユニークで遊び心のあるアイテムを展開していきます。 Website:oluproducts.com Instagram:instagram.com/oluproducts

◯ プロジェクトメンバープロフィール アートディレクター/グラフィックデザイナー|脇田あすか 1993年生まれ。東京藝術大学デザイン科卒業後大学院を修了、その後コズフィッシュを経て独立。あらゆる文化に対してのデザインに携わりながら、豊かな生活をおくることにつとめる。過去の仕事にPARCO、LUMINE、HARUTAなどのファッションシーズンビジュアル、ドラえもん50周年ポスター、書籍の装丁や、紙・印刷にまつわるアイテムからWEBデザインなど。また、アートブックやスカーフなどの自主制作作品を制作・発表もしている。 プランナー|伊部志保 オンラインショップ IBE(アイビー)主宰。OLU PRODUCTS ではブランドのコンセプトメイキングからネーミング開発、コミュニケーション戦略まで手がける。 アドバイザー|吉田けえな PR 会社や百貨店のコーディネーターなどを経て渡米。NY を拠点に世界中で、見て、着て、食べた、リアルな視点と独自の美意識、審美眼を大事に、マーケティング、リサーチ、バイイングなどを行う。現在は帰国し、持ち前のマーケティング、リサーチとコミュニケーション能力を活かし、商業施設のプランニングアドバイス、ブランドの開発、内装プランニング、パーソナルスタイリングなどを手がける。

CASE Q&A

TOTのCASEで開催されるポップアップショップやイベントの参加ブランド・アーティストをより深く掘り下げる一問一答インタビュー。ものづくりのコンセプトやその背景、想いを探り、気付きを得られるようなインタビューをお届けします。