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TEA SIDE

Text: Amane Hosaka / Photo: Leo Arimoto

2024.12.17

THINK OF THINGSの入り口にあるポップアップスペース“CASE”では12月11日(木)から、グラフィックデザイナー サリーンチェンさんと大坪メイさんによる期間限定のお菓子屋さん、「TEA SIDE」のポップアップを開催しています。 今回は、サリーンチェンさんと大坪メイさんに「TEA SIDE」が生まれたきっかけやポップアップについてお聞きしました。

ー TEA SIDEが生まれたきっかけや、名前の由来について教えてください。また、デザイナーのお二人がお菓子屋さんとして出店することになった経緯も気になります。 今年の5月に、イベント出店のお誘いをいただいたのがきっかけでスタートしました。当初はデザイナー仲間を呼んで何人かで出店という話もありましたが、限られた時間の中で進める必要があったので同じデザイン事務所にいる私たちだけなら隙間時間でも進められるね、と自然と二人で出店するかたちになりました。 日々事務所での共同作業が多いからか、共通している言葉が多いのでコミュニケーションがとりやすく、 TEA SIDEのアイディアは二人で歩きながら打ち合わせをして進めることが何度もありました。丸7年一緒に働いていると共通認識や共通言語があり、頭の中のリファレンスやストックが似ていて、引き出しにあるイメージや伝えたいことがお互いすぐに伝わるというのは不思議な体験でした。

サリーンさん:二人でやる意味を考えた時、共通の趣味からと思い、割と早い段階でお菓子屋さんに決めました。日々食べ物に夢中で、事務所でもいつも食べ物の話をしている私たちだからこそ、それを入り口にしてやったら楽しくできそうだなと思ったんです。 大坪さん:名前の由来はダジャレです。(笑)5月の出店したイベント会場が、代官山 蔦屋書店のある「T-SITE」、私たちの勤め先がある建物が「HILLSIDE TERRACE」、掛け合わせて「TEA SIDE」になりました。他に候補を上げながらも勢いで決めた名前でしたが、お菓子はお茶と一緒に食べることが多いですし、意外としっくりきている気がします。

お菓子は、静岡県下田市に拠点を置いている菓子工房「糸」さんにお願いしました。元々アイシングクッキーをメインに作っていらっしゃる工房ですが、普段彼女がつくっているものとは少し異なる素朴な焼菓子をリクエストし、一緒に今の形を作っていったという感じです。

ー 5月にあったはじめての「TEA SIDE」の出店は、お二人にとってどんな時間でしたか? 大坪さん:全部が予想外でずっと楽しかったです。作品を売ったり展示したりするのとはまた違う良さがあって、お菓子屋さんという形があるからなのか、とても良いコミュニケーションが生まれる場所だなと思いました。お菓子を食べたくて買ってくれる人もいれば、パッケージがかわいいと言って買ってくれる人もいて、人の生活にデザインがこうやって入っていくんだなという感じがすごく良くて。押し付けるのではなく、デザインを見てもらえるというか... サリーンさん:5月のイベントでは、ひとつのテントを自由に使えました。自由度が高い分何をするかが悩ましかったので、セルフプロデュースのお菓子屋さんという枠を自分たちで設定しました。日々の仕事での経験を活かした形で発表するのは、デザイナーらしいやり方だなと感じました。

ー 今回のポップアップで販売するお菓子のパッケージデザインやおすすめを教えてください。 今回の商品のメインパッケージは、基本の世界観は変えずに、前回のトーンをホリデー仕様にアップデートしています。前回とは異なる色使いや、窓の外の景色だけよく見ると雪が積もっているといったちょっとした遊び心を取り入れました。 おすすめは、星の缶「Snow&Star flakes」と焼菓子のバスケット「Baked Goods Basket」です。星の缶のパッケージにある絵は今回のポップアップに合わせて書き下ろしました。今回のキービジュアルにも登場しているバスケットは、街で素材探しをする中で見つけたもので、これに合わせてデザインや内容を決めるというかたちで生まれた商品です。 お菓子自体は、冬らしいベリーやチョコ系の焼菓子、松ぼっくりの木型で抜いたクッキーなどを用意しています。友達と会うからクッキー何個か買っていこうとか、ちょっとした手土産なら箱のものを買おうかなとか、TEA SIDEを通してプレゼントを気軽に渡せるようになるといいなと思い作りました。気軽に店頭まで遊びにきてもらえたら嬉しいです。 POPUP SHOP「TEA SIDE X’MAS 」 日時:2024年12月12日(木)〜12月25日(水) 場所:THINK OF THINGS 1F CASE ※12月25日(水)は通常定休日ですが、営業いたします。 サリーン チェン SARENE CHAN 1990年香港生まれ。香港理工大学デザイン学科卒業した後、新聞社でデザイナーとして勤務しながら、イラストレーターとしても活動。2016年香港ヤングデザインタレント賞を受賞。2017年来日しキギ(現:キギと創造)に入社。2024年より個人の活動も開始し、グラフィックを軸に幅広いジャンルのクリエイティブを手がける。 Instagram:sarenechan 大坪メイ
 MEI OTSUBO アートディレクター / グラフィックデザイナー 1993年東京生まれ。東京造形大学グラフィックデザイン専攻領域卒業。キギ(現:キギと創造)を経て、2024年に独立。東京TDC賞2017受賞。東京造形大学非常勤講師。仕事の傍ら、リトルプレスの制作ユニットbundleとしても活動中。 Instagram:mei_otsubo

CASE Q&A

TOTのCASEで開催されるポップアップショップやイベントの参加ブランド・アーティストをより深く掘り下げる一問一答インタビュー。ものづくりのコンセプトやその背景、想いを探り、気付きを得られるようなインタビューをお届けします。