2026.07.30

CASE Q&A 小林千秋

CASE Q&A 小林千秋

THINK OF THINGSの入り口にあるポップアップスペース“CASE”では、7月23日(木)より東京を拠点に活動するイラストレーター・グラフィックデザイナーの小林千秋によるポップアップ「PLAY PLACE」を開催しています。今回は、小林さんに普段の制作やポップアップについてお聞きしました。

ー絵を描く上で、大事にしていることを教えてください。 また、モチーフの形や線は、どのように生まれるのでしょうか。 見慣れた景色の中に新しい見え方や考え方を見つけ、そこで生まれた最初の感触のようなものをすくい取り、広げていくことが、作品をつくる上で大事なテーマになっている気がします。 普段から手描きで絵を描いていて、どこにどんな線を置くのか、モチーフの何を残し、何を手放すのかを考えています。考えていることと手で描く感覚が重なるところを探りながら、最後には自分にも少し見慣れない線にたどり着くのが理想です。 例えばりんごを描くときは、最初に丸い形やへたなど、いわゆる「りんごらしさ」を手がかりにします。でも、何度も描いているうちに、決まったりんごのイメージから少しずつ離れていく瞬間があります。そうして変化していく過程を、描きながら眺めています。

ー今回のポップアップ「PLAY PLACE」について教えてください。 THINK OF THINGSは、役割を持ったものと、その意味や役割から一度自由になったものの両方が混ざり合う場所だと感じています。今回のポップアップでは、そうした場所のあり方を踏まえながら、これまでの作品や制作ともつながるテーマを考えました。 「PLAY PLACE」は、刺繍を施した一枚の布と、そこに置かれるものとの組み合わせから、小さな風景をつくることをテーマにしています。コースターを敷くことでコップの場所が生まれるように、布の上にものを置くと、それまで何もなかった平らな面に、そのもののための小さな場所が立ち現れます。置くものや布の組み合わせによって、同じものでも少し違って見えたり、別の風景が生まれたりするおもしろさを表現しています。

タイトルには、それぞれの場所や風景を、楽しみながらつくってほしいという気持ちを込めています。作品をつくるのは私自身だけではなく、布やものを持ち帰った方も、自分なりの組み合わせから新しい風景をつくることができます。そこには、公園のように、それぞれの関わり方ができる、ひらかれた場所のイメージも重ねています。 布の絵柄は、それだけが主張しすぎず、何かを置くことでひとつの風景として成立するような、ほどよい距離感を意識して、5種類制作しました。 ーポップアップにあわせて制作いただいたコラボレーション商品はどのようなものでしょうか。 今回制作した2種類の測量野帳は、ぼんやり思い浮かんだことや何かを思いつく一歩手前の言葉や形にまとまらないものがたくさん詰まったノートになったらという思いで制作しました。 COPY CONERで印刷したリソグラフポストカードは、展示の雰囲気を持ち帰ることができるキービジュアルのデザインと測量野帳の絵柄とも呼応するような「PLAY PLACE」の一つの風景を切り取ったデザインの2種類になっています。

ー最後に、今後挑戦したいことなどありましたら教えてください。 シリーズものの小説の表紙のような、連続性のある絵を描いてみたいとずっと思っています。また、今回自分の絵を布の上で刺繍に起こしたように、絵を拡張していくアプローチとして、アニメーションで絵を動かしたり、線を立体にしていったりと、これまでとは異なる表現にも挑戦してみたいです。 CHIAKI KOBAYASHI POP-UP「PLAY PLACE」 会期:2026年7月24日(木)~8月9日(日) 場所:THINK OF THINGS 1F CASE 小林千秋 東京を拠点に活動するイラストレーター・グラフィックデザイナー。 ハンドドローイングの線を軸に、表現とデザインを横断し、書籍、パッケージ、ロゴ、アニメーションなど国内外の幅広い領域で活動。 Instagram:@kobayashi__chiaki