CASE Q&A 川尻竜一
THINK OF THINGSの入り口にあるポップアップスペース“CASE”では、12月4日(木)から札幌在住のグラフィックデザイナー川尻竜一によるポップアップ「YOUR TELL US SHY, ME TELL US SHINE」を開催しています。今回は川尻竜一さんに、デザイナーになられた経緯や最近の活動、ポップアップについてお聞きしました。
ーグラフィックデザイナーを目指されたきっかけはありますか? 実家が個人経営の看板屋だったことが影響しているのかもしれません。小さい頃から父にちょっと手を貸してくれと声をかけられては、仕事を手伝う機会がたくさんありました。今思うとこれがグラフィックデザインの原体験だったんじゃないかなと思います。街の中に父の作ったものがある。それが誰かや何かの役に立っている感じがする。「あ、これお父さんが作ったやつ!」と見かけるのは気分が良かったです。当時はそもそもグラフィックデザイナーという職業があるということも知らないくらいで、グラフィックデザイナーになりたいというよりは、いつかお店にずらりと並ぶCDジャケットを作ってみたいなくらいの興味だったと思います。デザイン学生の頃に友人のバンドや知人の音楽活動のデザインまわりを手伝うようになり、気がつけばこうしてグラフィックデザインやアートディレクションの仕事をするようになっていましたね。ちなみに今でも音楽はサブスクではなくCDやレコードを買って聴いています!
ー2023年に屋号 「川」として独立されたとのことでしたが、屋号の名前の由来や、最近結成されたグラフィックチーム「リバーツリーツリー」についてお聞きしたいです。 川は自分の名前の一文字目なのですが、昔からジリーとかリューとか呼んでもらうことが多く、個人的にはどうも馴染みがなかったんです。ところが灯台下暗しというか、ここにきてとてもフレッシュに感じられて、いまさらながら川って心地が良いなと思い直しました。 現在は地下鉄を利用できるエリアに拠点を移しましたが、独立当初は札幌の中心部から少し離れた自然がいっぱいな土地で暮らしはじめました。そこは川が多いところで、地名もアイヌ語で川を意味する言葉をもとに名づけられていたような地域だったんです。住居からすぐの川は、雪が積もっていても、何時に見ても、当たり前のようにずっと流れ続けていて、その姿勢を見習いたいと思って「川」と名づけました。 最近の活動としては、札幌のZINEイベント・NEVER MIND THE BOOKSを皮切りに同じくグラフィックデザイナーの新林七也とのグラフィックデザインチーム「リバーツリーツリー」をはじめました。NEVER MIND THE BOOKSには毎年の恒例行事のように出店させていただいていて、ここ数年は新林くんを含む数名とブースをシェアする形で参加してきました。今年はいつもと違った何かが始まるぞという打ち出しをしようと、「リバーツリーツリー」という名前をつけて、マークを作って、グッズも制作しました。リバーは川尻の川、ツリーツリーは新林の林が由来です。マークの左半分が川、右半分が木のグラフィックになっていて、組み合うと僕らが大好きな犬に見えるようになるのがとても気に入っています!これは新林くんとじゃなければ辿り着けなかったデザインですね。
ー今回のPOPUP「YOUR TELL US SHY, ME TELL US SHINE」について教えてください。 今回のポップアップのタイトル「YOUR TELL US SHY, ME TELL US SHINE」は、ネイティブな発音で読み上げると「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」と、日本人なら誰もが一度は聞いたことのあるような呼び込み文句に空耳するよう逆算して組み立てたものです。 そういえば、テレビ番組・タモリ倶楽部の「空耳アワー」でTシャツを獲得したこともあり、何かを文字るとか駄洒落が好きで、その思いつきをグラフィックデザイン越しにだったらみんなに言える!みたいな感じですね。 せっかく東京での出店の機会をいただけたので、できるだけたくさんの人に来て見てほしい!と心から思っているのですが、「YOUR TELL US SHY, ME TELL US SHINE」なのは完全な照れ隠しです。笑 今回のポップアップのビジュアルは、フリーマーケットで買ったばかりの招き猫があったので、タイトルと同じく照れ隠しということで後ろ姿にしています。どんな後ろ姿をしているのかなんて知りませんでしたが、赤いリボンがかわいくてどことなくキティちゃんみたいでした。 今回のポップアップに並ぶのは、私がクライアントワークの側らで個人的に制作・発表してきたグラフィックデザイン雑貨に加え、出来たてほやほやなリバーツリーツリーのアイテムたちです。ウケてもスベっても全部自分の責任…と言ってはなんですけど、普段の仕事とはまた違うわくわくとどきどきがありますね。とにかくポップアップに来てくださったみなさんが笑ってくれるとうれしいです。ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
ー人気のアイテム「A3A4A5A6ハンカチ」について、また今回コラボレーションで制作したWITH TOTバージョンのデザインについてもお聞きしたいです。 A3A4A5A6ハンカチは、ハンカチの大きさをちょうどA3サイズに仕立ててあるので、半分に折りたたむとA4に、もう一度折りたたむとA5になるというアイテムです。A3〜A6の表記はそれぞれのサイズの面の中央にくるようにしてあり、広げた状態で右上に向かってぱらぱらと散らばったような文字の配置は、この設定に沿ったごく自然なレイアウトです。 ハンカチはそもそも折りたたんで携帯するものなので、このデザインと機能に無理がなくぴったりだなと思っています。また、絵柄の定着の仕方については刺繍なども考えられましたが、コピー用紙がモチーフですし、刷るという行為の範囲内にしたいというこだわりもあって、シルクスクリーンプリントを選択しました。 はじめてのコラボレーションであるWITH TOTバージョンでは、2色刷りにも挑戦。TOTのグラフィックパターンをちょうどA4サイズにプリントすることで、A3とA4のサイズ差がぱっと可視化され、さらに便利です。 少しデザイナーライクな商品なのかもしれませんが、そのままだと持ち歩きにくいA3サイズをハンカチついでに持ち運べるのが魅力なので、打ち合わせの場や創作機会はもちろん、日々のいろんな場面でこのハンカチをものさしのように役立てていただければと思います!
ー最後に今後の展示ややってみたいことなどについて、教えてください。 「BOXTHINK EXHIBITION VOL4 アイアム」という展示を東京・青山のギャラリーvoid+にて2026年3月4日から3月8日に開催させていただきます。こちらは札幌の北海紙工社さんとHACOYAさんによる箱の可能性を探るプロジェクトです。4回目となる今回は私がアートディレクションを担当したペーパーアイテムを展示・販売する予定です。ぜひお越しいただけますと幸いです! また、今後はリバーツリーツリーで日本各地を飛び回りたいなと思っています! 川尻竜一 1982年北海道留萌生まれ、札幌在住グラフィックデザイナー。デザ院株式会社などを経て、2023年よりフリーランス。屋号は川。多くはアドバタイジングの仕事、場合により創作活動まで。2025年にグラフィックデザインチーム「リバーツリーツリー」をスタート。主な受賞はJAGDA新人賞('21)、台湾国際平面設計賞グランプリ('21)、札幌ADCグランプリ('19、'20-'21、'23、'24)など。JAGDA会員。札幌ADC会員。愛犬家。 POPUP「YOUR TELL US SHY, ME TELL US SHINE」 会期:2025年12月4日(木)〜 12月25日(木) 場所:THINK OF THINGS 1F CASE Instagram:@ryuichikawajiri リバーツリーツリー Instagram:@rivertreetree








